瞑想の復習

これまでの進歩を回想する...

これまでの進歩を回想する...
グループで瞑想する

   私には、京都や東京で一年中行っている無料のメディテーション講座に来てくださる方と、瞑想への愛好を分かち合うチャンスがあります。この機会があるということはとてもありがたいことです。たくさんのすばらしい人、人生のより深い意味と目的を捜し求めている人、マインドと心を開き新しい世界、内的世界を探検する熱心さを持っている人にお会いできるのです。内的な道を通って、幸福、啓発、神を探し求める衝動を共にしています。もう一つの共通点があります。それは、名利の欲や世間の功績は楽しむことはできるけれど、それらの成果が最終的に私たちの飢えを満たすことはできないということを意識的、無意識的に理解を深めていることです。

   精神生活での成長は必ずしも私たちの望み通りに速くは進まないので(木の根にどれほどよく水をやってもその実が早く実るわけではありません)、自分の前進の様子にがっかりして、練習しなくなることもあります。多くの精神哲学は転生の考えを採用しています。一冊の小説のたくさんの章の中で何度も登場してくる主人公のように、不滅の魂はたくさんの人生を通して少しずつ成熟していくという説です。このような長い時間にわたる魂の進化という状況で把えると、ほんの数ヶ月で瞑想を実践していくためのしっかりした基盤を根気よく造っていくことは、一日の中の一秒であるかのごとく、ゆるやかな進歩ではなく、とても速い進歩に相当するのです。

白鷺

   魂が経験する長い時間の説明の一つはインドの古い名著に出てきます。その書物は、大きな湖を想像するようにと言っています。その湖には5000年に一回だけ白い鳥が飛んできて、くちばしの先で水をたった一滴だけ、持ってきます。鳥が湖をカラにするまでにかかる時間は、魂がスタートから悟りという旅の終点までの道のりを行くのに必要な時間に相当するそうです。ありがたいことには、これを文字どおりに解釈してはいけません!すでに瞑想を始めている人、精神性に興味をもっている人の湖はほとんどカラになっており、長い旅が終わりに近づいているのだと、例の書物の続きに書かれており、私たちを安心させてくれます。

   魂の転生を信じようと、信じまいと問題ではありません。しかし、このような考えや信念はマインドを少し伸ばし、今日の視野の地平線の向こうにある真実と現実を理解するための準備をしてくれます。やり抜く覚悟に励ましを与えてくれます。私たちは思うよりもゴールの近くにいるのです!そして、あきらめずに自分の欠点や短所に直面して、克服する勇気、武士の心を吹き込んでくれます。魂の鳥「魂は弱虫にして得られるものではない」 と、鳥と湖の話が書かれている書物にあります。

   シュリ・チンモイはいつも大いに私たちを励ましています:「最初の内はいい瞑想ができなくても不安にならないで下さい。普通の生活でも、何かに熟練するのに何年かかるかは、神のみぞ知ることでしょう。」

   「今日はとてもおいしい料理を食べましたが、これから3・4日間は粗末な料理を食べるかもしれません。しかし、何であれ、食べている限りは活力を維持することに安心できます。それと同じように、一回いい瞑想ができたのに、次の日はうまく瞑想できなかったと言って、一瞬なりとも失望や落胆などする必要はありません。ある日いい瞑想ができなかったら、またいつかスープリームが非常によく瞑想できるための渇仰心、刺激、祝福をお与えになってくれると感じればいいのです。そうすれば、あなたは確実に瞑想と内的生活で進歩するに違いありません。」

夜明けの海岸のボート

   「最初は自分から努力しなければなりません。その内、自然にうまくいくようになります。自然にうまくいかない内は、努力しなければならないのです。帆船を操るのと同じです。海に出るときはここをいじったり、あそこを調整したりと、いろんなことをしなければなりません。準備している間、あなたはとてもダイナミックです。しかし、それはあくまでも準備だけです。船が無事に海に出て、いい調子で動き始めたら、あなたは努力を続けなくても帆走できます。瞑想においては、この自然な動きは上から降りてくる神の恩寵によって成り立ちます。」

   「子供が歩くことを習うとき、最初はつまずいて何度も何度も転びます。でも、しばらくすると、ちゃんと歩けるようになり、走れるようにまでなります。あなたもいつか歩けるようになり、やがて走れるようになります。ついにはつまずかずにとても速く走れるようになります。」

   「少しずつあなたの能力は大きくなります。とは言っても、最初の日から瞑想の特典を感じるでしょう。海の水を一滴でも飲めば、塩辛い味がします。それと同じように、瞑想する間、平和の海からわずかな一滴でも飲めば、生活の中で必ず内的平和を体験するようになるのです。」