瞑想を習う 第一歩

 
呼吸法と思い浮かべることの練習
 

以下の簡単な練習について読んで、実際にやってみれば、その主な段階が

 

自然と早く身に付くでしょう。

ろうそくの炎

   瞑 想用の机のろうそくに火をつけ、お気に入りの

 

お香を焚いて下さい。これからの10-15分の間、

 

瞑想を他の何よりも優先することを心に決意して

 

下さい。電 話が鳴っても、外の世界に何が起こっ

 

ても注意を払わない決意をします。瞑想で過ごした一瞬一瞬が精神的な旅

 

で前進できる絶好の機会だと思って下さい。試み 一つがゴールへ向かって

 

踏み出した一歩なのです。そうすると、誠実さを感じ、自分の瞑想を

 

大切に思うことが出来るようになります。

 

   用心深さを維持できるように、背骨を適度にまっすぐ伸ばし、快適に

 

座ります。目を大きく開かないで、半分開いて半分閉じます。この半眼

 

のことを獅子の瞑想と 言い、マインドを集中させるのに役立ちます。

 

それがどうしても難しいという方は目を閉じていただいても構いませんが、

 

たくさんのメリットがあるので、最初にこの 方法をおこなってみるのが

 

よいでしょう。平和な雰囲気を作る上で、質素なフルートのようなスピリ

 

チュアルな音楽を流すこともかなり効果があります。

  

この練習では、呼吸に集中することで、マインド(思考)を静めるという

 

方法を身につけることから始めます。できれば、鼻で息をするのが一番

 

いいです。マインドがさま よったり、切りのない思考が押し寄せてきたり

 

してもがっかりしないで下さい。最初の内はそれが当たり前なのです。

 

   呼吸と思考には密接な関係があり、意識を呼吸の方に向けると、

 

マインドが次第に一点のように集中できるようになります。他の全てのことから離れて、生命力のエネルギーの川のように絶え間なく流れる息だけが存在するのを感じてみて下さい。

花とお香

   息に平静で穏やかな雰囲気を感じてみて下さい。鼻先に細い糸が吊るされているとしたら、その糸がほとんど動かないほど呼吸を 細く、ゆっくりとするとよいでしょう。呼吸が大変静かで、マインドが次第に静まり、身体が不動になり、空っぽの器になっているという静かな気持ちを深めて いって下さい。

   息を吐く寸前の一瞬の休止と息を吸う寸前の休止に注目してください。息を吸うときと吐くときの間のこの静寂の瞬間を広げてみて下さい。そうすると、呼吸は少し静まり、深く遅くなり、次にすることへの心構えをしてくれます。

   ここからはいくつかの性質を一つずつ吸い込むのに集中してみます。最初は無限の平和です。息を吸うとき、自分の存在の各部分に平和を吸い 込んでいると感じてみて下さい。出て行く息は、落ち着きのなさ、ストレス、消極的な考えや気持ちなどの平和らしくないものを出していると想像して下さ い。もしもっとうまくできるようであれば、吸う息は平和と清らかさに満ちた真っ白な光で、吐く息は不潔や考えを含む灰色であると想像していただいてもよいで しょう。他の方法もありますが、これがもっとも簡単なやり方ですので、お試し下さい。吸う息に集中しながら平和という性質を意識します。息を吸い込む度により 深く、愛情に満ちた内なる空間へ入っていくのを感じるという方法です。単純なのが一番。マインドの中の考えや思考が少なければ少ないほど有利なのです。

金の像

   数分後、宇宙から宇宙のエネルギーを吸い込み、このエネルギーが自分の存在の各部分を浄化し、活気づけていると想像 してみてください。息を吸う度に内では川が、生命力と宇宙エネルギーの川が流れ、疲れやストレスや消極的な考えと置き換わっていきます。このようなマイナスの性質は吐 くようにします。

   最後に、幸福または喜びという性質を吸っていると思って下さい。それがあなたの中を流れ、広がります。顔が微笑むまでになるのを想像し て下さい。息を吐くときは、再び苦しみや悲しみや困難のような否定的な性質を吐き出していると感じます。これを数分行って下さい。何回か練習すれば、この簡単 な想像はただの想像ではなく、現実となり、本当に平和や喜びをもっと感じられるようになります。マインドが静かになればなるほど、このプラスの性質が もっと感じられます。この性質は魂そのものの本来の状態だからなのです。この性質は既にあなたの内にあり、あなたはそれらが直接経験できるような状況を整 えているだけなのです。ですから、瞑想を習うというよりも、むしろ思い出す、再発見する行為なのです。見つかるのはあなたの深奥の自己です。

   この練習を終えるときには、息そのものに意識を戻していって下さい。何の性質も考えないで、ただとても静かな内なる空間の中で平静で落ち 着いているのを自覚してみて下さい。マインドが広大な空のように澄んで、空っぽです。さまよう思考が起こったら、それは空虚を渡っている小鳥のような些細 なものです。呼吸の静かな流れを意識して下さい。他に何も存在しない、ただ息のリズムに浮遊しています。どれほど静かになれるか、マインドの静寂と息の落 着きを高めて下さい。息が唯一の現実になったとき、とても平和で瞑想的な気持ちになります。

いくつかのポイント:

獅子の瞑想
  • この簡単な呼吸を利用し思い浮かべる練習を毎日行うとよいでしょう。マインドが静かになり、少し上達したら、それに新しい練習を一つ か二つ加えることができます。最初は10分間で始めて、上手になるのにつれて、次第に15分、20分、それ以上にも長くしてみて下さい。マインドが動き回っ て、集中できなくてもがっかりしないでください!誰でも同じことを経験していますから。誠実さという秘訣を忘れないで、ただ毎日の練習に専心すれば次第に 上達するに違いありません。このような初段階の練習はマインドを静めるためのもので、瞑想はマインドを超えたところ、練習によって深められる静寂の 中にあります。
  • うまく行っているか行っていないかという評価はしないで下さい。練習を続けているのなら、うまく行っているので す。それから、すばらしい経験を得ようと瞑想するのではなく、前進するために瞑想してみて下さい。旅の例えを思い出して下さい:瞑想をする試み一つ一つは 幸福という目的地へ向かう素敵な一歩なのです。
  • 瞑想は朝起きて一番最初にするようにするのが一番です。瞑想が引き出してくれる平和・ 落着き・喜びで一日中の出来事が明るくなるのです。あなたが前面に出すプラスの内面の性質が生活の中に流れて行きます。朝の瞑想で人生に潜んでいる神聖さ をより深く感じ、自分が誰なのか、何が本当に重要なのか、何が重要でないかということに気づくようになります。瞑想は洞察力と自己認識への通路、より高い 現実へ進む上での基準、全てをより深く理解する能力です。はじめに瞑想することで、一日の始まりから正しい道に踏み出すことが出来るのです。
  • 食後の瞑想は避けてください。そういうときはよく身体がけだるかったり、落ち着かなかったりします。身体が邪魔をしないように、食べる前に、または食べてから数時間後に瞑想をして下さい。横になって瞑想することもお勧めできません。眠ってしまうことになるだけです。
  • 瞑 想を部分的でも半眼で練習することを忘れないで下さい。この方法は眠るのを防ぎ、マインドを速やかに集中させる能力を発達させ、日常生活で瞑想できるよう にしてくれます。歩きながらでも、仕事をしながらでも、公園のベンチに座っているときでも、バスを待っている間でも、あらゆる場所で瞑想できることが分か ります。どこにいても、瞑想をする能力はあなたの内にあるからです。